Data
- Location
- radlab, Kyoto, Japan
- Team
- Megumi Matsubara, Hiroi Ariyama
- Completion year
- 2010
- Exhibition title
- RETROSPECTIVE i.e. — Assistant Solo Exhibition
- Exhibition period
- 10 Dec 2010 - 16 Jan 2011
- Commissioner
- radlab
- Curator
- Shinichi Kawakatsu
- Purpose
- Assistant solo exhibition
回顧展、ライブラリ、アクティベートされる思考
text by rep.radlab
会場にはたくさんの言葉が並べられています。これらの言葉は、assistantがこれまでに行ってきたプロジェクトの途上で二人が取り憑かれた着想や思考の断片です。分野や媒体にあらかじめ制限を設けない彼らの自由な思考がひとところに展開しているという意味において、いわば、この会場はassistantの思考のアーカイブとなっています。
それはまるでライブラリのようだとあなたに思わせるかもしれません。実際この空間はそのようなものとしてassistantに設計されています。あなたが目にすることができる「開架室」に並ぶ言葉には、それぞれにその言葉から生み出された「参照資料」が用意されています。しかしその「参照資料」が収められている「閉架室」に関しては、あなたはその全てを目にすることができず、あなたが選んだ言葉と関連づけられた資料をのみ閲覧することができます。
あるプロジェクトで「詩がそのまま設計図になったこともある」と述べているように、言葉はassistantにとって説明の道具ではなく、着想や思考の断片であり、かつそれをドライブさせる作用となっています。この会場に並ぶ言葉もまたそのような役割を担っています。
そして通常ライブラリが書籍を貸し出しているように、ここでも言葉を貸し出しています。それは詩の一節、書籍の数ページ、書籍そのもの、絵、音楽、映像、立体物など、形式は問われません。貸し出された言葉は期間中、それを借りた人によって、あらたな参照物を生みだしていくことになります。そして、言葉と共にライブラリに返却、寄贈されることになります。
そのようにして持ち込まれた「参照資料」は「閉架室」へ入ります。「開架室」の言葉それぞれは、その「参照資料」を意味内容のようなものとして増やし、アクティべートされていくのです。アーカイブは、assistantの思考が喚起した他者の思考を取り込みながら参照関係の網の目を成長させていきます。
これはassistantの回顧展ですが、その言葉から思い起こされるような並べられた「作品」も、スタイルの変遷もここにはありません。それでもなおこれが回顧展と呼びうるのならば、それはここに「これまで」が溢れているから、という理由にあります。彼らはそこで「個別の作品」という制約を取り外し、それぞれに取り憑いた着想や思考を総体として提示します。そのねらいは、それらを他者に転移させることによってまた別の未来へと開いていくことなのです。
Images
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT
-
Photo © ASSISTANT